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タワマン節税とは?
平成29年度の税制改正の目玉の一つが「タワマンに係る課税の見直し」でしたね。
「タワマン節税」自体は、数年前から都心部を中心に注目を集めていました。
タワーマンションを購入することで相続税の節税ができるということのからくりは、簡単に言うと次のような理屈です。
1. 現金を所有しているよりも不動産を所有している方が同じ価値でも相続税評価額が抑えられる
2. タワーマンションにおける各居室について、家屋としての相続税評価額が一律であるので、高層階の居室は実勢価格と相続税評価額に大きな乖離がある
3. タワーマンションにおける土地の所有持分は非常に小さいものであり、都心部のタワマンについて『小規模宅地等の特例』という優遇規定を有効に活用しやすい
このようなことから、相続税の節税効果という意味では、キャッシュでタワマンを購入すること、あるいは、ローンを組んででもタワマンを購入することは非常に大きな効力を発揮します。
実際に1億円のタワマンの相続税評価額が3,000万円~5,000万円ほどに抑えられるケースを目にします。
タワマン節税の何が悪いのか?
ただ、タワマンのこのような面に気づいた一部の不動産業者などがタワマンを「節税商品化」して大々的に販売するようになったので、国税庁も平成27年の10月に、急遽このように節税ありきで購入されたタワマンについて、看過しがたい事態がある場合には、原則評価によらず国税庁長官の判断で時価をもって相続税評価額としますよというような声明を出すに至ったわけですね。
また国税不服審判所の裁決でも、「節税以外に明確な意図を持たずに」取得され、「取得後すぐに相続が発生」し、「そのあとすぐに取得価額に近い価額で譲渡」されたような事例の相続税評価額について、上記のとおり納税者の行った原則(通達)評価を否認するような事例が新聞紙上なんかでも取り上げられるようになり、タワマン節税の盛り上がりは一時よりは幾分落ち着いたように思われます。
そして、この流れに止めをさすように平成29年度の税制改正においてタワマン節税の封じ込めが行われるとメディアが一斉に騒ぎ立てました。
タワマン節税は封じられたのか?
では、実際のところ、平成29年度の税制改正によってタワマン節税のスキームはどのような影響を受けたのでしょうか?
その実、何にも変わってないんですよ。
インターネットなんかをみていると誤った情報を流布しているサイトをみかけますが、少なくともタワマンを購入することで得られる相続税の節税効果については、税制改正の前後で何ら影響は受けてないんですね。
この改正により見直しがあったのは、タワマンの相続税評価の仕方ではなくてあくまで固定資産税の課税の仕方です。
別に詳しく知る必要もないことですが、具体的には、これまでタワマン全体の固定資産税額を算出し、その税額を各部屋の床面積で按分して各居室の税額を決めてきたのを、平成30年度から新たに課税されることとなるタワマンについては、単純な床面積による按分でなくて住戸の所在する階層による差異を反映させるべく「階層別専有床面積補正率」なるものを設けてこれによる補正を行うということです。
実際には、高さが60mを超えるタワマンについては、高層階の税額が低層階のそれよりも高くなりますよというだけの話です。
タワマンを所有している場合、その家屋の相続税の評価は「固定資産税評価額」を基に行われますが、肝心のこの「固定資産税評価額」の評価方法にも、「固定資産税評価額」基に計算するという相続税の評価方法自体には何もメスが入ってないんです。
なぜか一部で「もうタワマン節税は終わった」というような声を聞くことがあるんですが、何にも終わってないんですよ。
ただ、当然のこととして相続税の節税効果だけを期待して購入されたタワマンについては、原則(通達)評価を認めませんよということを国税庁が注意喚起をはじめた、実際にそういった租税回避目的でのタワマン評価について原則評価が否認された事例がでてきたにすぎません。
あかんもんは最初からあかんのです(笑)
では、お前はいまも変わらず積極的にタワマン節税を進めているのかと言われるとそんなことはありません。
今も昔も、タワマン節税の本当の問題点は、節税効果がどうかとか税務署に否認されないかとかそんなことじゃないんです。
節税である前に、投資である以上、その投資効果はどうなのか?ということです。
節税効果を謳い文句に、将来的にニーズの下がりそうな立地の物件を購入させられていませんか?
本当にその賃料を安定的に確保できますか?そのローンの支払は無理なく続けられますか?
節税はあくまで手段です。
手段が目的化して節税効果以上の損害を被らないようにしなければなりません。
不動産業者に言われるがまま買うのも論外 銀行に言われるがままローンを組むのも論外
メディアに振り回されて全く検討しないのももったいない(笑)
大きな節税効果が得られ、なおかつ投資案件としても魅力的な物件というのはそうはないはずです。
購入にあたって(相続税の節税スキームの実行にあたって)は様々なプロフェッショナルの意見を自分なりに理解して行わないとえらい目にあいますよというお話。
ちなみに、相続税の大家のS先生がセミナーでこんなことおっしゃってました。
「いまはタワマンを中心に明らかに不動産バブルの状態ですが、政府も東京オリンピックまではこれを黙認せざるを得ない。より踏み込んだ税制改正でバブルを崩壊させるわけにもいかないんでこの程度の改正で茶を濁したんだ」
と・・・ なるほど、その通りだと思います(笑)
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